2023.2.17
船橋ジョッキーズレポート
vol.5
スペシャルコンテンツ
- 細江
-
ターニングポイントになったと思う競走馬との出会いはありませんか?
- 左海騎手
-
マキバスナイパーじゃないですかね。
あの馬には色々教わりました。
競馬のイロハというか、自分でしか感じられない部分ですけど、何から何まで教わったのはあの馬かもしれないですね。
- 細江
-
デビュー7年目くらいですよね。
- 左海騎手
-
自分で調教つけて、仕上げて良い思い出も苦い思い出もあります。
- 細江
-
なるほど。どんな性格の馬だったんですか?
- 左海騎手
-
最初は本当、聞かん坊でね。
調教のとき3コーナーあたりで外へ行っちゃったり。
そういった所を矯正しながら迎えたデビュー戦(4歳未出走)では、すごい勝ち方をしたもんだから“この馬走るなぁ”って思いました。
同時期にアローセプテンバーっていう馬もいて、厩舎の二枚看板だったんですけど、最初はアローの方が上だったんです。
- 細江
-
そうなんですね。
- 左海騎手
-
でも途中から、レースで経験を積むごとに伸びている手応えがあったので大事に乗ってましたね。普通だったら一頭15分か20分くらいの調教なんですけど、30分から40分くらいかけてました。
馬場の真ん中を歩いて草を食べさせながら帰ってましたよ(笑)
- 細江
-
えぇー。
- 左海騎手
-
記憶ではこんなに時間をかけたのはマキバスナイパーしかいないと思います。
聞かん坊だった分、余計に手をかけたくなるんですよ。
でも、成長したマキバスナイパーから俺のほうが教わりましたね。
こういう馬の背中が走るんだってことを知りました。
- 細江
-
ダートではどんな背中がいいと思いますか?
- 左海騎手
-
とにかく柔らかい背中。
柔らかいけど、いざっていう時に上にグッと伝わってくる感触がありますよね。
グニャっとはしてないですよね。
- 細江
-
柔らかいけど芯があるってこと?
- 左海騎手
-
やっぱり芯ないとだめですよね。
- 細江
-
山口騎手はやっぱり、ダービー馬・エメリミットってことになりますか?
- 山口騎手
-
もちろん、エメリミットもあるんですけど、もっと前からレースに騎乗していなくても攻め馬をした馬がダービーを勝っているので一頭に絞るのは難しいですね。
強いて挙げるなら、2013年に東京ダービーを勝ったインサイドザパークの攻め馬をした経験が大きいです。
“どうやって馬を作っていくか“ということを色々学べたので。
- 細江
-
ちなみにエメリミットってどんな性格だった?
- 山口騎手
-
うるさいっすよ(笑)
レースでは引っかかる時もあれば、進んでくれない時もあるし。
乗り難しかったといえばそうなんですけど、たまたまダービーの時は、砂を被せないでレースをしていたので、馬も気分よく走ってくれたんじゃないですか。
- 細江
-
あのレースは左海騎手が先頭を走っていましたけど、そのすぐ後方4~5番手の内でじっと待機してましたね。
- 山口騎手
-
そうですね。あまり人気もないし腹を括って乗ったという感じです。うまくいきましたね。
- 細江
-
4コーナーでは外に出して最後の直線を迎えました。
- 山口騎手
-
前に出て抜けちゃうと遊んじゃうんですよ。
だから、たまたま外に出せて併せ馬の形になったのがよかったんだと思います。
- 細江
-
3コーナー過ぎた所では内にいて、いつの間にこんな外にいるんだろうっていう印象でした。
- 山口騎手
-
内を走っていたら刺されていたかもしれないですね。
どちらかと言うと踏ん張るタイプなので。
- 細江
-
接戦でしたものね。
とっさの判断ができたのは大きかったですね。
- 山口騎手
-
外に出して負けたら“なぜ内から行かなかったかな”って思っちゃうし、結果論ですけどあそこで外に出してよかっただけで運が良かったんでしょうね。
- 細江
-
山口騎手も謙遜してる(笑)
でも、初重賞制覇が東京ダービーっていうことになったけど、やっぱり積み上げてきたものが結果に繋がったと思います。ご自身の中ではどんな気持ちでした?
- 山口騎手
-
勝っちゃったなって感じ(笑)
色んな人から“お前泣けよ”って言われましたからね。
- 左海騎手
-
素っ気ないんですよね、インタビューが。
- 細江
-
見ていてそう思いました(笑)
- 山口騎手
-
本当は前走の東京湾(カップ)を勝ちたかったんですよ。
- 左海騎手
-
それなら、東京ダービーで“やり返した!”って言えよ。
- 山口騎手
-
いやいや、だから自分でも勝っちゃったなくらいにしか思ってなくて。
- 細江
-
みんなが喜んでくれたんじゃない?
- 山口騎手
-
そうですね。レースの後はみんなと一緒に飲みました。
- 細江
-
仲間の祝福は嬉しいですよね。
- 山口騎手
-
重賞勝ったりすると必ず一回林厩舎に集合みたいな流れがあるんですよ。
- 細江
-
わぁ、素敵。この上なく嬉しい時間ですね。
- 山口騎手
-
自然とみんなが集まって、そこで一杯祝杯をあげるのが恒例なんです。
嫁も厩舎来てますからね。(笑)
- 一同
-
(笑)
- 細江
-
さて、続いてのお話ですが、船橋競馬場と言えば、レースや馬だけでなく立地も最高ですよね。
ファンの方にオススメできるようなお店を紹介していただけますか?
- 山口騎手
-
一緒に行くことが多いので誠二さん(左海騎手)に聞いてもらってもいいですか?(笑)
- 一同
-
(笑)
- 細江
-
もう、夫婦みたいに仲良し(笑)
- 左海騎手
-
夫婦よりか絆があるかも(笑)
俺の寝室に寝たことがある奴ってこいつくらいですよ。
- 山口騎手
-
一緒に飲み行ったとき必ず寝ます。
- 一同
-
(笑)
- 細江
-
なんか本橋騎手と本田騎手との関係性に似てますね。
- 左海騎手
-
あの二人は同年代ですけど、僕らはおおよそ一回り違いますからね。
オススメのお店といえば、家から歩いて行ける所で商店街の中にあるんですけど、もんじゃ焼きの「天久」ですかね。
- 山口騎手
-
商店街はほとんど制覇してる(笑)
- 左海騎手
-
飲食店は5、6件しかないですけどね。
何年も通ってるから僕がジョッキーということも知ってて、すごい気さくに接してくれるんですよ。
だから外で食事したいときはタツに連絡して一緒に行ったり。
でも、タツからは誘ってくれないんですよ(笑)
- 細江
-
え!?
- 山口騎手
-
そもそも基本的に誰かに電話することがないですね、あまり。
だから、いつも誘われ待ちです。
- 細江
-
不思議な関係ですね(笑)
さて「天久」さんのもんじゃ焼きは何がおすすめですか?
- 左海騎手
-
牛すじかな。あとは、子供に焼きそば作ってやってみたいな。
ただ、タツは食べないんですよ。
- 山口騎手
-
食べないですね。でも、誠二さんもですけど。
以前、行った焼肉屋さんの時なんか、せっかく行ってるのに火をつけないですからね。
- 細江
-
えぇー!?
- 山口騎手
-
何も焼かないんですよ。
- 左海騎手
-
黙々と飲んでた。
- 山口騎手
-
しまいにはウインナー買って帰って。
- 左海騎手
-
そのお店も顔なじみだったので、納豆ライス食べるくらいですね。
- 細江
-
そうなんですね(笑)
ところでお食事の話題が出ましたけど、体重調整は難しい方ですか?
- 左海騎手
-
お互い昔からそれほど苦労しなかったかも。
- 山口騎手
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減量が取れたばかりの時くらいですかね、厳しかったのは。
- 左海騎手
-
僕らの時代は減量2kgだったんですよ。
一年半くらいで50勝して減量が取れたので、その頃は少しきつかったですね。