船橋ケイバへの思い

― 今の船橋競馬場に対してはどのような思いをお持ちですか。

「思っていた通り相変わらず強い。これからも地方の意地を見せる競馬場であってほしいなと思います。船橋は取材させてもらった最初の競馬場で、それで愛着も湧いたし、1番知っている競馬場になりました。取材の時は写真撮影だけで、特に関係者に話を聞いたりすることはなかったんですが、交流のレースを観ている時に船橋の馬が出ると、これだけ船橋を描いていたので、思い入れがありますし、応援しちゃいます。
見ていると、2着が多かったり、安易に勝たずに、惨敗というのでもなく…
2着というのはすごく意味があるんですよ。負けるレースの中にもドラマがあります。
マキバオーはそれが多いと思っていて、負けを次につなげていく、勝つよりもさらに思いが繋がっていく、そこに意味があるんじゃないのかな。
勿論『勝ちにこだわりつつ負けてもいい』はだめだし、2着でもだめです。
それをアマゾンの親子の話で描きました。
強くなって天狗になるよりずっと「こん畜生!」という感じで行って欲しいなというのがありますね。」

― 今は競馬場の改装で無くなってしまいましたが、以前「船橋ケイバミュージアム」に「みどりのマキバオー」の特設コーナーがありました。
実際に船橋で活躍した馬たちに並んで、サトミアマゾンの活躍と名セリフがミュージアムの中に展示されて、たくさんのファンが足を止めて見入っていました。ご存知でしたか?


「あれは嬉しかったですね!ファンの人から『あるらしい』と聞いて。びっくりしました。」

― 作者の知らないうちにできていたんですか?

「そうなんです、でもありがたいなと(笑)」

― ぜひ、リニューアル後の船橋競馬場にもお越しいただきたいです。
最後になりますが、つの丸先生から船橋競馬のファンの皆さんに向けて、メッセージをお願いします。


「中央に挑んで中央を返り討ちにする船橋を、これからも応援してください」

インタビューを終えて

1時間余りのインタビューの中で、サトミアマゾン、アマゾンスピリットの心情、情熱、そして彼らに同調してそれらを描いていた、つの丸先生の熱い思いを伺うことができました。
偶然このインタビューをさせていただいたのは、川崎競馬場でロジータ記念が行われた日。
ロジータの父も、サトミアマゾンと同じミルジョージです。

「たいようのマキバオーW」は2017年に連載終了。
つの丸さんが描いた馬と人の物語は、いまだに読み継がれる名作となっています。

かつての名作の主人公には、必ず強いライバルがいました。

「Fの系譜」

船橋競馬所属のサトミアマゾン、アマゾンスピリット。

彼らの不屈の精神は「マキバオー」の世界だけではなく、今現在の船橋競馬場にも存在しています。

写真:インタビュー時 記念撮影

PAGE 2/2

一覧ページへ

Writer

フリーアナウンサー 原山 実子

競馬関係、通販番組などでお仕事をさせていただいている、フリーのアナウンサーです。最近まで、リリアン原山でした。