2022.10.19

船橋ジョッキーズレポート
vol.3

スペシャルコンテンツ

細江
木間塚騎手は?
木間塚騎手
小学6年から親の勧めで乗馬を始めました。
細江
お父さんは競馬がお好きだったの?
木間塚騎手
大好きです。
その影響で乗馬クラブへ行ってたんですけど、乗馬も楽しくてこういう仕事がいいなって。
中学1年から中央競馬の学校を受けるために頑張って、専門学校も行ったんですけど、落馬して怖くなって乗れない時期もありました。
その後、何回か中央競馬を受けたものの受からなくて最終的に何とか地方競馬の学校に入ることができました。
細江
中学を卒業してから?
木間塚騎手
はい。学校入ってからも一瞬で先生に目を付けられたんですけど(笑)
細江
それは態度が悪いとかっていうこと?
木間塚騎手
態度ですね。他にもやらかしてしまったこともあるんですけど、なんとか粘りましたね。
今だから言えるかも知れませんけど、ほとんどの教官には可愛がってもらっていたんですよ。それにも関わらず怒られて僕もカァーってなっちゃったり。
それでも見捨てないでいてくれて感謝しかないです。
その分、先輩達には迷惑かけてしまってるんですけど。
小杉騎手
まぁ、憎めないんですよね(笑)
細江
その気持ち分かる!騎手になってお父さんはどうですか?
木間塚騎手
家族は喜んでいると思います。
いま川島厩舎に所属しているんですけど、この厩舎に入れたのもおじいちゃんが、紹介してくれたっていうこともあって。
細江
おじいちゃんが探してくれたんだ?
木間塚騎手
そうですね。おじいちゃんは知り合いが多くて、仕事の繋がりから川島厩舎を紹介してもらって所属することができたんです。
細江
どこの厩舎に入るかって大きいことですもんね。
木間塚騎手
そうですね。川島厩舎で勉強できていることが良かったと思います。
だからこれからも船橋競馬場で頑張りたいですね。
そして絶対に川島厩舎を辞めないように頑張りたいです!
細江
すごいね!
木間塚騎手
川島厩舎に入ってから、だいぶメンタルが強くなったと思うんですよね。
細江
自分で言っちゃうんだ(笑)
濱田騎手
でもメンタル強くなったって言ってますけど、悔しくて泣いちゃいますからね。
小杉騎手
半日くらい泣いてるんですよ!
木間塚騎手
悔しくて泣いてたんですよ!メンタル的に社会向いてないのかなぁとか(笑)
細江
悔しくて泣いてしまうのは良いことだと思いますよ。
でも川島厩舎の方はもちろんですけど、お二人のような先輩がいてよかったですね。
小杉騎手
僕らは若手でもベテランでもない中間層ですけど、後輩にはお手本になれるように頑張っていかないとなって思います。
細江
ありがたいお言葉ですね!
さて、ここからは騎手人生を振り返っていただこうと思いますが、これまでの騎手人生でターニングポイントになった出来事や忘れられないレースがあれば教えていただけますか。
小杉騎手
この間、肩の筋を切ってしまって、悩んでいた時期があったんです。
その時に矢野先生(調教師)には𠮟咤激励をしていただいたり、他の厩務員さんには相談に乗ってもらって助けてもらったんです。
今その方のおかげで色々な出会いがあって、つい最近も函館に行って中央競馬を馬主さんと観に行ってきたんです。それで馬にも乗せてもらったり。
ある意味、怪我が今の騎手人生の中では、大きなターニングポイントでした。
細江
2回大きな怪我をしていますよね?
小杉騎手
最初は脱臼して、2回目は肩の筋を切ったんです。
1回目の怪我の時は、まだ若かったので3カ月位で完治したけど、30歳を過ぎて怪我するとメンタル的にもちょっと厳しいです。2回とも色んな人に助けられました。
だから落ち込んだ時はありましたけど、もうちょっと騎手を頑張ってみようかなって。
重賞とかも勝ってみたいですしね。
細江
濱田騎手はいかがですか?
濱田騎手
僕は初勝利ですね。初勝利が重賞だったのでそれが一番かなと思います。
細江
船橋でデビューして、結構早い時期に高知へ行かれてますよね。
濱田騎手
デビューから1年経って、すぐ行きました。
細江
船橋でデビューして1年間はなかなか勝利が挙げられず、苦悩したんでしょうね。
濱田騎手
当時所属していた調教師の先生に“騎手を辞めるか高知へ行くか”って言われて。
1年の騎乗が22鞍だけだったので、高知へ行くか辞めるかって言われた時、高知へ行く以外の選択肢はなかったです。喜んでいきますって(笑)
細江
高知では知らない人ばかりだったわけですよね?
濱田騎手
全然気にならなかったです。とりあえず頑張ろうと思っていたら、重賞で乗せてもらう機会をもらえたんです。
本当は前の方へ行けよって言われてたんですけど、重賞となると楽に前へ行けなくて。
それで後ろから行くことになったのですが、それがたまたまハマっただけなんです。(笑)
(※2008年黒潮皐月賞 タケショウクィーン 5番人気)
細江
どのあたりで勝利を確信したんですか?
濱田騎手
4コーナー回るあたりで手応えが僕だけ違うなぁみたいな。
あれ?これ勝っちゃうと思いました。(笑)
細江
自分でも驚いたでしょうね。周りはどんな感じでしたか?
濱田騎手
「おめでとう」って言われたけど、どっちのおめでとうだろう?みたいな。
重賞なのか初勝利なのか(笑)
細江
重賞ですからインタビューもされたわけでしょ?
濱田騎手
すごかったですね。電話のインタビューなどもすごく掛かってきたし、そんなに取り上げられることなのかなぁって。
細江
その後も高知での騎乗を続けたわけですよね?
濱田騎手
1年間いまして、それなりに乗鞍を重ねて帰ってきました。
もう少し延長しても良かったんですけど、これ位乗れるようになったからっていう自信もついてきて、早く南関で乗りたいなって思ったので帰りました。
細江
やはり騎乗回数を増やすっていうことは大事なことですね。
さて、まだデビューして間もないですけれども、木間塚騎手はいかがですか?
木間塚騎手
初勝利した時はやっぱり嬉しかったですね。
細江
初勝利、早かったもんね。
木間塚騎手
強い馬に乗せてもらったっていうのもあるんですけど。
細江
キモンルビーだよね。
木間塚騎手
納得できる騎乗ではなかったですけど。
一時期、乗鞍が少なくて他場への遠征も考えたんですけど、矢野義幸調教師や新井清重調教師から「まだ行かなくていい、行っても変わらないよ」と言われたんです。
それで、ここで頑張るしかないと決意したんです。
調教にもたくさん乗せてもらって、本当、矢野調教師や新井調教師には感謝してますね。
細江
小杉騎手も高知遠征に行かれてますけど。
小杉騎手
昔は武者修行の流れが主流だったような気がします。船橋で言えば本橋(孝太)騎手から始まって、やっぱり遠征してすごく変わったじゃないですか。乗鞍も勝鞍も。
そういう事もあって僕らも行ったんですけど、僕はこっちで最初が厳しかった分、向こうでちょっと羽を広げすぎちゃいました(笑)
細江
そうなの?(笑)
小杉騎手
僕は、人間性としては変われたかなと思って。
細江
どういうこと?
小杉騎手
こっちでは真面目だったんですよ、行く前は。良くも悪くも殻が破れたかなっていう(笑)
細江
(濱田騎手に)そう?
濱田騎手
そういうことにしておきましょう。(笑)
細江
高知の人っておおらかで温かい人が多いですよね。
私の兄も高知大だったんですけど将来は高知に帰りたいっていうぐらい。
小杉騎手
なんていうか、家族みたいな感じがしましたね。
それに高知は料理が旨いんですよ!
カツオを食べたことがなかったんですけど、刺身の中で一番好きになりましたね!
次へ

PAGE 4/5